青春
高校の友達に久しぶりに会った。
大阪の高校だったがお互いに東京に出ていたのでお互いの暇をみて飲みに行こうという話になった。
俺はFacebookを全然見ていなかったので当時の同級生たちがなにをしているのかはさっぱり知らなかったので"あいつは今なにをしているんだ?"が主な話のタネになった。
英語に強い、留学のある高校に行っていたので海外で働いているやつも少なくなかった。結婚してるやつもいるし、まじめに働き続けてるやつもいるし、みんながみんなある意味普通に生きてて安心した。あの頃いた俗にいう"イキリオタク"は、NYに在住しながら日本に帰ってきては”Japan adventure"とか言って向こうでもイキリ散らしているようで最高に面白かった。
しばらくすると"あいつ"は自分たちの話になった。
俺はフリーランスで毎日好きに生きてるよ。あの頃は勉強のことしか考えてなかったけど、今はCGとか映像をやってるんだぜ。
友達は心底驚いていたし、俺のことを誇りに思ってくれていた。
友達はまた、難病にかかってしまったらしい。
あの頃、あいつががんにかかったときは
"頭もよくて、スポーツもできて、性格もいいこいつがなんで病気になって、俺みたいなやつがかからないんだろうか"
とよく考えていた。べつに苦しみを肩代わりするだとか、理解したいとかかわいそうとかそういうことではなくて、ただただ"理不尽"に苦しさを感じていたけれど、今はべつのことを考えるようになった。
何回病気にかかっても明るく話すこいつがただただ凄いと思ったし、"さすが"だなと思った。
俺もまたこいつのことを誇りに思えたのがとてもうれしかった。
お互い本当に変わってしまった。あの頃から何も変わっていない奴なんていなかった。
誰しも自分のやりたかったことに成功、挫折、挑戦していた。そしてみんな後悔していたのは、青春を青春と理解する前に、青春が終わってしまっていたことだった。
ただ目の前にある目的に向かって進んでいただけで、同じようなことの繰り返しだと思っていた日々が、本当は青春、その時だと気づいていなかった。
あの時だからできたことはいくらでもあったし、やり直したいことも死ぬほどある。
青春を青春だと本当に理解するのはそうやって思い返し、懐かしむときまでやってこない。
だから、ただ毎日つまらないような日々を過ごしているように感じる青春時代を、みんなにはめちゃくちゃに生きてほしい。
楽しんでください。
じゃあな